« 博士課程修了生 | Main | なぜ情報理論を研究するようになったか »

2009年10月24日

研究に対する心情

「ことによると、善良な人間のままで何かをするのは不可能かもしれない」スペンサー

  研究者というものはボス稼業の者を除けば大体3つのタイプに分類されます。すなわち、島を発見する人,最短航路を築く人、島を開拓する人の3つです。小生は昔は勤勉かつ温厚な開拓者だったような気がしますが、現在は宝島の発見を目論む性格が破綻しつつある最短航海士のような気がします。もちろん20年近い航海の間,島の発見者になったことなどはありません。
  研究者の最高の栄誉は『宝島を発見した人』になって後世にその名を留めることです.しかし、そのためには、『何も発見できない』だけでなく、独立行政法人化などの大きなうねりのあるシケの海であえなく『溺れ死ぬ』かもしれないといういわゆる"all or nothing"の大きなリスクを覚悟しておかなければなりません。それでも、研究者としての道を踏み出た以上、社会的落伍者となる危険を冒しても『宝島を発見する人』になろうとする研究者魂だけは決して捨てません。これが『極道もの』すなわち『道を極める者』としての心意気です。
参考文献:韓太舜「極道としての学問」
Posted by 植松友彦 at 2:15 午後
Categories: 研究思想