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2009年10月24日

署名解題2

行き先も決めないでずんずん歩いた。もう大学のことなど考えない ようにした。何も考えないようにした。何も考えずに歩いていると、 そのうちに言葉を忘れてしまった。   ーー 川上弘美「惜夜記」

川上弘美の惜夜記の一節。川上は、 「行く先も決めないでずんずん歩いた。もう少女のことなど考えないようにした。 何も考えないようにした。何も考えずに歩いていると、 そのうちに言葉を忘れてしまった。」と書いているところ、 「少女」を「大学」に書き直し、自分の心情を表すことにした。 惜夜記では、この後に、「何しろ体がない。脳もない。」と続くが、 大学教授が能無しでは困るので、ここでまでにした。
Posted by 植松友彦 at 4:01 午後
Categories: ぼやき